「してたけど、してないってこと?」
「たぶん彼女たちは妄想の中で創り上げた男だったり前彼だったりとしてるんだと思う」
「それは・・・相当ショッキングなことだけど、仮にそれが本当だとしたら、俺はただの代打ちじゃん」
「でもね、彼女たちはそんな意識すらないんだと思うよ。同じ女だから想像できちゃうし、わたしもそんな時期があったもの。それと、相手にもよるかな(笑)この男とだけは目を合わせたくない、とか」
「エッチな4610もいろいろしてきてるんだな」
「あ。。。いや、その、そりゃ大人ですもの」
「いいよいいよ、大丈夫(笑)じゃとりあえず好きな相手なんだけど目を合わせられないっていうのはどういうこと?それから、彼女たちは無意識のうちに前彼とのセックスを想像してるってこと?」
「その二つの質問に対する答えは同じよ。目の前の相手と向き合えていないんだと思う」
「向き合う?」
「ひどい子になるとそういう行為をしている自分に酔ってるっていうか、興奮だけしてるってパターンね。自己完結してるから相手と向き合って相手を知ろうとするベクトルがほぼ無いに等しい。誰でもいいってワケじゃないけど、居心地がよくて自分に興味を示してくれるならオッケーってわけ」
「つまり相手と向き合うっていうのは相手のことを知ろうとしたり、逆に自分のこともさらけ出せるってことだよね」
「そうそう、そこが大事なの。相手と向き合えない子は絶対に自分をさらけ出せないと思うわよ」
「ヨヨチューがよく言ってる『自分を明け渡す』ってことだね。つまり相手を知ろうとする気持ちと自分をさらけ出すっていうのはワンセットだ」
「ざっくり言うとそんな感じね。相手にこんな自分をさらけ出したらどう思われるだろうかって、不安がいっぱいなんじゃないかなぁ」
「でもそれって相手に失礼だよね。好きなんだからネガティブな思いなんか抱くワケないじゃん」
「ところがそうでもないんじゃない。過去の男との体験が軽いトラウマになってる子もいると思うんだ」
「そりゃ男どもが悪い!」
「健一はセックスのことを普通に明るく会話してくれるでしょ。しかも自分のド変態ぶりもサラっと言うじゃん。わたしに軽くあしらわれても甘えたりして自己主張するからさあ。ついつい私も誰にも言ったことのないような妄想とか願望とか言っちゃうのよね」